DC iDeCo制度解説ガイド
対象者区分・限度額

職業と加入年金の種類で、毎月拠出できる上限が決まる。

2026年9月 / 現行ルール
iDeCo制度解説ガイド / 加入対象範囲

制度利用の対象範囲と拠出限度額

iDeCoはかつて「個人事業主や一部の会社員」のための制度でしたが、現在はほぼ全ての現役世代が対象となっています。ただし、その人の職業や加入している他の年金制度によって、毎月拠出できる金額の上限(限度額)が厳格に定められています。

制度の位置づけ / 2026年9月時点

加入できる人と、拠出できる金額の枠組み

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、国民年金の被保険者区分をもとに、誰が加入でき、いくらまで拠出できるかが決まります。2017年の法改正で対象が大幅に拡大され、専業主婦・主夫も加入可能になりました。さらに2022年10月の改正で、企業型DC加入者のiDeCo併用も原則可能となっています。

重要なのは、限度額は「職業そのもの」ではなく「加入している公的年金と企業年金の組み合わせ」で決まるという点です。同じ会社員でも、企業年金の有無によって枠が変わるため、自身の加入状況を正確に把握することが第一歩となります。

第1号被保険者

自営業・フリーランス・学生

拠出限度額 月額 68,000
この区分の要点
  • 国民年金の第1号被保険者が対象
  • 私的年金の中で最も高い拠出枠
  • 国民年金基金との合算枠に注意
  • 厚生年金がない分、老後保障を厚くする設計

国民年金の第1号被保険者である自営業者やフリーランス、学生の方の拠出限度額は月額68,000円です。これは私的年金の中でも最も高い枠となっており、厚生年金がない自営業者の老後保障を厚くするための配慮です。

ただし、この68,000円は国民年金基金との合算枠です。国民年金基金にも加入している場合、iDeCoと国民年金基金の拠出合計が月額68,000円を超えないよう調整する必要があります。両方に加入する場合は、それぞれの拠出額の配分を自分で決めることになります。

学生も第1号被保険者に該当しますが、学生納付特例制度を利用している場合は、その特例期間中のiDeCo加入可否について確認が必要です。制度上は加入可能ですが、拠出金の負担能力を含めて検討することが一般的です。

第2号被保険者

会社員・公務員

勤務先の年金制度の種類によって、限度額がさらに細かく分かれます。

企業年金がない会社員

勤務先に企業型DCや確定給付年金などの企業年金制度がない場合の区分です。多くの中小企業の従業員がここに該当します。

月額上限 23,000円

企業型DCに加入している会社員

勤務先で企業型確定拠出年金(企業型DC)が運用されている場合の区分です。会社が拠出する年金に加えて自分でも上乗せができます。

月額上限 20,000円

公務員・私学共済加入者

国家公務員・地方公務員や、私立学校教職員共済制度の加入者です。職域年金があるため、iDeCoの枠は最も小さくなります。

月額上限 12,000円

サラリーマンや公務員の方は、このように勤務先の年金制度の種類によって細かく限度額が分かれます。自身の加入区分を正しく把握することが第一歩となります。人事・総務部門に勤務先の年金制度の有無を確認するか、ねんきん定期便などで現在の加入状況を照合することをおすすめします。

第3号被保険者の制度概要に関連する生活场景のイメージ
2017年法改正 / 加入可能
第3号被保険者

専業主婦・主夫

拠出限度額 月額 23,000円

会社員や公務員に扶養されている配偶者(第3号被保険者)の拠出限度額は月額23,000円です。かつてはiDeCoの対象外でしたが、2017年の法改正により加入が可能となりました。

第3号被保険者自身は所得がない、あるいは所得が少ない場合が多いため、所得控除の直接的な恩恵はない場合が多いです。それでも、世帯全体の資産形成の選択肢として検討されるケースが増えています。拠出資金は配偶者の収入から拠出することになりますが、拠出者本人の口座として管理されます。

扶養範囲を超える所得を得るようになった場合は、第2号被保険者に区分が変更となり、限度額も勤務先の年金制度に応じて見直される点に留意が必要です。

2022年10月 / 法改正ポイント

企業型DC加入者のiDeCo併用

2022年10月の法改正により、企業型確定拠出年金(企業型DC)に加入している方も、規約の定めにかかわらず原則としてiDeCoに加入できるようになりました。以前は勤務先の規約でiDeCoとの併用が制限されるケースがありましたが、この改正により制限が実質的に撤廃されています。

これにより、会社が拠出する年金に加えて、自分の意思で拠出額を上乗せする「自分年金」の構築がより柔軟になっています。ただし、この場合のiDeCo拠出限度額は月額20,000円であり、企業型DCの拠出額とは別枠で管理されます。

改正前後の比較
改正前(2022年9月まで)

企業型DCの規約で選択制でない場合、iDeCoへの加入が制限されることがあった。

改正後(2022年10月〜)

規約の定めに関わらず原則としてiDeCoに加入可能。併用時の限度額は月額20,000円。

QUICK REFERENCE

限度額一覧まとめ

被保険者区分 対象となる方 月額限度額
第1号被保険者 自営業・フリーランス・学生 68,000円
第2号被保険者(企業年金なし) 一般の会社員 23,000円
第2号被保険者(企業型DCあり) 企業型DC加入の会社員 20,000円
第2号被保険者(公務員等) 公務員・私学共済 12,000円
第3号被保険者 扶養配偶者(専業主婦・主夫) 23,000円

上記は2026年9月時点の現行ルールに基づく拠出限度額です。国民年金基金との合算枠や、勤務先の規約により実際の加入可否・拠出枠が異なる場合があります。詳細は勤務先の人事担当者またはねんきん定期便でご確認ください。

確認ポイント

加入区分を確認する際の留意点

限度額はいつ決まるのか。転職時はどうなるか。 +

拠出限度額は、iDeCoの加入時点で判断されます。加入後に転職などで区分が変わった場合は、新しい区分に応じた限度額に変更が必要です。たとえば企業年金なしの会社員(月額23,000円)から、企業型DCのある会社に転職した場合(月額20,000円)、限度額の見直し手続きを行う必要があります。手続きを怠ると超過拠出となり、後日調整が生じる場合があるため注意が必要です。

国民年金基金とiDeCoの両方に加入する場合の注意点 +

第1号被保険者(自営業など)の場合、国民年金基金とiDeCoの拠出額の合計が月額68,000円を超えないようにする必要があります。たとえば国民年金基金に月額30,000円を拠出している場合、iDeCoには最大で月額38,000円まで拠出できます。両制度の特性を理解した上で、それぞれの拠出額の配分を検討することが大切です。

限度額を超えて拠出してしまった場合どうなるか +

拠出限度額を超えて拠出した場合、超過分は「過剰拠出」として処理されます。過剰拠出分は後日返還される仕組みですが、その分の税控除の取り扱いに影響が出る場合があります。加入区分の変更時には、限度額の見直しを速やかに行うことが重要です。不明点がある場合は、加入している金融機関のiDeCo専用窓口に問い合わせて確認してください。

次のステップ

制度の全体像をさらに深く理解する

加入区分と限度額の仕組みを確認したら、次はiDeCoの税制メリットや制度の基礎知識に目を通すと、より全体像がつかみやすくなります。

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